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フォルシアが解き明かす、謎多き「ダイナミックプライシング」の正体

2020.01.24

ダイナミックプライシング 共同研究

経営企画室の加藤です。フォルシアではダイナミックプライシングを活用した事業企画・推進や、テクノロジーをより認知してもらうための広報活動を行なっています。

昨年上期の日経MJヒット商品番付にも選ばれたダイナミックプライシングですが、「AIによる売上最大化」のイメージも強く、現段階では技術先行のバズワードという感が否めません。社会に受け入れられるには時間をかけて正しい理解を得ていくことが必要だと感じます。

今回は、プロジェクトに取り組む中で定義した「ダイナミックプライシングとは一体何か?」を皆さんにお伝えすることで、より身近なものとして捉えていただくきっかけが作れればと思います!

参考:そもそもダイナミックプライシングとは?向けの方へ
汎用的な理論創出を目指す フォルシアのダイナミックプライシング構想

ダイナミックプライシングとは?

フォルシアでは、ダイナミックプライシングを「購買機会ロス削減を目的にした需要・供給データに基づく価格変動」だと定義しています。

2019年は日本でも多くのダイナミックプライシング関連のニュースが飛び交いましたが、海外では当たり前のテクノロジーとして、ビジネスへの導入が進んでおり、ざっと調べただけでも以下のような業界への導入事例が見られました。

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皆さんはどれくらい聞いたことがあるでしょうか?

どれも変動価格を適用している事例ではありますが、すべて同じダイナミックプライシングなのでしょうか。

私たちは、京都大学と共同で商材を限定しない汎用的なプライシングアルゴリズム研究を進めていますが、「ダイナミックプライシング」とはいったい何なのか、さらに細分化して定義しました。

日経新聞:「ダイナミック値付け」共同研究 フォルシア・京大

ダイナミックプライシングの正体

ダイナミックプライシング = 価格が変動する状態そのものを指します。

では、変動を前提としたとき、価格はどのように決まるのでしょうか。
フォルシアでは、商材や需要変動状況によってダイナミックプライシングを大きく3つに分類しています。

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(1)ディマンド・プライス

ディマンド・プライスは、商品ごとの需要に応じて初期価格が変動します。
遊園地の入園料や小売商品など、キャパシティに明示的な制限がない商材を対象に、販売数を一つでも増やす、あるいは販売単価を高める目的で価格を変動させます。
たとえば、USJが売上増を目的に繁忙期のチケット料金を値上げしたのは大きなニュースとなりました。

(2)スケジュール・プライス

スケジュール・プライスは、商品ごとの需要や当日までの販売ペースに応じて、初期価格と販売開始後の価格が変動します。
航空券やホテル、駐車場、生鮮食品など、キャパシティに上限があり、且つ販売期限がある商材を対象に、機会ロスなく在庫を売り切る目的で価格を変動させます。
ホテルでも時期やエリアによっては激しい直前の値上げや割引があるように、常に期限までの残り時間と売れ行きに注意して、期限ぎりぎりまで価格を変更し続ける場合が多いです。

(3)リアルタイム・プライス

リアルタイム・プライスは、販売する瞬間の需要・供給量に応じて、取引の初期価格が変動します。
UberEatsやシェアリングサービスなど、「今すぐほしい」需要と、提供可能な供給がどちらも変動しやすい商材を対象に、取引を成立させやすくする効果が期待できます。

今回書いた目的や例はあくまで一部ですが、今後、各企業は自分たちのビジネスや、達成したい目的にマッチするように上記プライシングを組み合わせた価格決定が必要になると考えています。

フォルシアが向き合うダイナミックプライシング

フォルシアでは今後、ダイナミックプライシングが適用される商材に対し、スケジュール・プライスを中心に、ディマンド・プライス&リアルタイム・プライスもカバーするソリューションを提供していきます。

ダイナミックプライシングの中でも、スケジュール・プライスは価格変更頻度が高く、価格決定に膨大な情報・ノウハウが必要なため、取り入れる企業様の対応負荷が大きいのが特徴です。

私たちは、テクノロジーの力でスケジュール・プライスを始めとするダイナミックプライシング導入・運用自動化支援を行うことで、社会に大きな価値を提供します

さいごに

いかがでしたでしょうか?もし、この記事を読んでフォルシアのダイナミックプライシングソリューションにご興味をお持ちいただけましたら、下記ボタンよりお気軽にお問い合わせください。

また、私たちは汎用的なダイナミックプライシングアルゴリズムを一緒に開発していくデータアナリスト・データサイエンティスト・webエンジニアの仲間を募集しています。ご興味がある方は、まずはお話しましょう!

この記事を書いた人

加藤 みちる

2015年度新卒入社 経営企画室所属。
2020年はダイナミックプライシングを当たり前に根付かせます。