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FORCIA Meetup #3 未経験者も即戦力にするフォルシアの技術教育

2021.09.22

FORCIA Meetup エンジニア セミナー・勉強会

こんにちは、第2旅行プラットフォーム部エンジニアの力石です。

本日も引き続き、エンジニアがテーマに沿ってLT(ライトニングトーク: 10分程度の発表)を行うイベント「FORCIA Meetup」の内容をお届けいたします。過去の記事はこちらをご覧ください。

FORCIA Meetup #3 エンジニアとして技術を"伝える"技術

8月10日開催のLTのテーマは「エンジニアとして技術を"伝える"技術」

夏休みシーズンに合わせてのサマーインターンの開催や、新入社員が本格的に業務に参画するこの時期だからこそ、4人のエンジニアがそれぞれ"伝える"をテーマに登壇しました。イベントの詳細はこちらをご覧ください。

今回は、未経験者も即戦力にするフォルシアの技術教育についてご紹介します。イベントの雰囲気が少しでも伝われば思いますので、ここから先は書き起こしスタイルにてお届けいたします。

未経験者も即戦力にするフォルシアの技術教育

谷井(司会):それでは「未経験者も即戦力にするフォルシアの技術教育」ということで新卒入社5年目の多田さんから発表していただきたいと思います。多田さん、よろしくお願いいたします。

多田:では、「未経験者も即戦力にするフォルシアの技術教育」というタイトルでフォルシア株式会社の多田が発表させていただきます。よろしくお願いいたします。


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最初に自己紹介します。多田といいます。新卒5年目のエンジニアで、普段はWebアプリケーションの開発をしていますが、それ以外に社内に技術教育チームがありまして、そこのリーダーをしています。

技術教育チームの大きな仕事の一つとして、新人の技術研修の企画・運営があります。今日はフォルシアで実施している新人の技術研修のご紹介をさせていただきたいなと思っています。

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とはいえ、研修とか教育っていろんな観点があるかなと思います。社内外、技術的な知識取得であったりとか、運用や心構えとかいろいろあると思うんですけども、今日はその中でもソフトスキルに着目してご紹介できればなと思っています。


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アジェンダはこのような感じで、最初にフォルシアでやっている研修の概要をご紹介させていただいて、残ってほしいソフトスキルや、そのために実施していることをご紹介させていただきます。

FORCIAの新人教育の概要

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初めに、フォルシアで実施している新人研修の概要についてお話します。参加してもらう新人の方のスキルはバラバラで、未経験者からWebアプリ開発経験者まで様々です。そういったところもあって研修としては、未経験者でも大丈夫といったところを前提とした作りになっています。ゴールとしては、配属後にスムーズに動き出せるようになっていることとしています。

構成人数としては、スライドの通りです。中心となって動いているのはこのメンバーですが、他にもコードレビューや、新人講義の講師など、多くの社員が関わっています。


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期間としては、このスライドの青い部分で、5月中旬から7月までの約2.5ヶ月になっていまして、前半と後半にわかれています。前半は個人開発をしてもらって、後半は実務体験をしてもらいます。

前半の基礎的な内容では外部サービスを使用していまして、最終的には社内フレームワークを用いたアプリ開発をやり遂げてもらっています。今回紹介するのは主に前半期間にやってもらうことになります。

残ってほしいソフトスキル


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研修をやるにあたって、残ってほしい(身に着けてほしい)ものがいろいろあると思います。今回は、短い研修期間の中で特に着目している点を二つ挙げています。

一つ目は「自走する力」ですね。これもすごく曖昧で幅広い言葉なんですが、疑問とか問題に当たったときに自ら行動して解決する力です。あとは自走するための、調査力や質問力も高めていただけたら良いなと思っています。

二つ目は「先輩社員や同期との関係性」ですね。研修後でもコミュニケーションが取りやすい関係になってもらえたらと思っています。

実施していること

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そのために実施していることなんですけども、まず、そもそも自走の必要な課題を提供しています。自走してもらうための課題のポイントとしては二つあるかなと思ってまして、一つ目は「ゴールの大枠はしっかりと示す」というところで、二つ目が「ゴールまでの達成方法は問いません」というところですね。

最終的なゴールをどこに置くかとか、そこに行くまでの解決の道筋というところは自分で立ててもらうという形にしています。


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実際にどんな感じの課題をしているかという紹介なんですけども、まず「名簿課題」というものがあります。

既存のフレームワークを用いた開発に慣れていただくために、初期の状態からアプリを1人で開発してもらっています。右上が初期状態の名簿アプリの画面です。ボタン押すと名前だけ別途表示されるようなサイトがありまして、ここから開発をしてもらいます。

そこから右下のような画面ですね。いろんな基礎的な検索ができるようなサイトを作ってもらっています。課題のゴールとしては基礎的な検索機能を追加するというゴールがあるんですけども、それ+αの課題も提示しています。ゴールの設定や、ゴールの達成方法は、その人自身に考えてもらうという形になっています。

こちらの詳細の話はですね、フォルシアのブログでもご紹介していますので、もしよければ検索してみてください。(19卒エンジニアが奮闘 名簿アプリ開発研修)

次に、「要件定義課題」というのもがあります。これは先ほどの名簿アプリを使って実施します。フォルシアでは受注開発をしているところもあるんですけども、そのときのお客さんとのやりとりをイメージしています。社員に顧客役となってもらい、やりとりをしながら名簿アプリにどのような機能を追加するかを決定し、実装するというものになっています。
明確なゴールはなく、このゴールを顧客の要望を通してを作ってもらっています。お客さんの要望の背景は何かなとか、それをどう聞き出すかを考えることができるようになるといいなと思って出しています。

ただこういう課題だけでは、ソフトスキルの定量的な計測とか、指導とかって難しいかなと思っています。


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難しい中でも力をつけてもらえるように実施していることの一つが、こちらのメンター制度というものになります。

他社でもこの制度は取り入れられているところもあったりするかなと思うんですけど、言葉の通り、メンターと一緒にやっていただく感じになってます。目的としては、気軽に相談したり、意見を言ったりできる相手を作ることで、安心して行動する経験を体感して欲しいというところがあります。

また、この制度を通して一番身近な先輩との関係性を構築してもらおうと思っています。運用方法として、メンターは新卒2年目の方に担当してもらっています。形としては、複数のメンターに対して複数のメンティーという感じにしています。複数でやっている理由としては、メンターも他業務を並行でやっていたりもしますので、業務の波があったときにフォローしあえるようにということや、あとはメンティー側も他の同期の行動を見れるというところで学びが大きいかなと思ってこちらの形をとっています。


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どんな感じでやってもらっているか、軽いご紹介なんですけども、こちらは社内のSlackでのやりとりになります。メンターさんもいろいろと考えてくれてまして、質問があったときに情報を小出しにして、一回自分で考えてみてもらったりとか、あとは質問の仕方についてスライド中段のコメントとかは、「どこがわからないのかわからなくなる」というメンティーの言葉に対して、こういうことをしてみたらどうかなみたいな感じでアドバイスしてくれています。

スライド下の方では、メンティーから相談を依頼して、それに対して「ええやん」というスタンプがついてたりしてますね。こんな感じでサポートしてもらっています。


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最後にこちらがKPT振り返り会になります。こちらの目的としては、新人の振り返りの機会を作るということと、あとは同期の交流の場を作るっていうところですね。

同期の意見からも学んでもらいたいと思って実施しています。運用方法としては、一週間に一度一時間とってやっていまして、新人の方と教育チームでやっています。先ほどの技術広報の発表(FORCIA Meetup #3 専任メンバー0人でも技術広報の活動を継続することができているワケ)でも出てきたんですけども、KPT法という振り返る方法を使って、一週間振り返って発表してもらっています。こちらはオンラインでやっているんですが、右にあるようなGoogleJamboardを使用して、ホワイトボードに付箋を貼るような感じでやっています。発表内容を深堀りしたりとか、内容に沿って教育チームからコメントしたりしています。


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気をつけている点というところで、和やかな雰囲気でやることを心がけています。時には新人の方の質問に「5年目になってもわからないことあるんだよ」みたいな感じでやったりとかしてますね。あとは不要な自信喪失を防ぐっていうとこですね。客観的に見て焦る必要がないときでもやっぱり自信を失ってしまったりとかもあると思うんですけども、そこで大丈夫だよっていうことをしっかり伝えたりとか、自信を失う背景などあれば、そこでできそうなことのヒントとか出したりしています。

また、同期からも学ぶというところを伝えています。新人の方も結構先輩の動きとかを見たりするんですけど、同期もすごく勉強になる存在なので学んでいただければと思っています。あとは質問の仕方にヒントを出したりする、というとこですね。人によって相手によって質問の合う合わないは違ったりもするので、いろんな質問の仕方があるよというところをお伝えしています。そして、研修ではトライアンドエラーをしていこうということを推奨して伝えています。

このような感じでKPT振り返り会を実施してます。

まとめ


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まとめになります。入社してから即戦力として動いていけるようにするために、自走できるというところを重視して、自走が必要な課題を出しています。そしてそれをできるように、新人の方とコミュニケーションをしっかりとってサポートしています。

というところで、今日の発表終わらせていただきます。ありがとうございました。

質疑応答

谷井(司会):ありがとうございました。何か質問等ある方いらっしゃいますでしょうか。

Twitterでは「先輩の様子から聞き方とか反省の仕方を学べたり、安全な環境なんだよって体感できそうないい研修だな」というつぶやきがありますね。コメントでは「メンターも複数入ることで、メンター同士の知識を共有できそうなのがよさそうですね」とありますね。

多田:確かにそうですね。

髙橋(別LT登壇者):なんかあれですよね。上から下だけじゃなくって、メンター同士だったり、1年目同士とか、横のそういう繋がりとか勉強っていうのも考えられてたんだなってなんか今話を聞いて、自分の研修を思い出しました。

多田:横の繋がりとかいろんな人の繋がりをつくるために、専用のSlackのチャンネルを作ってもいます。そこにいろんな方に入ってもらって、スタンプとかでアクションして、みんなで見てるよ!っていう雰囲気とかも出していたりします。

髙橋:会社に慣れないうちはSlackでリアクション付けてもらえるのってすごい心強いですね。

谷井:ありましたね。自分も3年前に研修していただいた側ですけど、すごく質問がしやすくて、ソフト面でもかなりいろんなところに気を配られていて、「こんなこと聞いたらいけないかな」とかそういう罪の意識がないようなやり方が作られていて、「全然聞いていいんだ」っていうすごく心理的な安全性が保たれて、とてものびのび研修ができて楽しめた覚えがあります。

谷井:それではお時間になりましたので、次のLTに移りたいと思います。多田さん、本日はありがとうございました!

おわりに

新入社員の技術教育について、身につけて欲しいソフトスキルとそのために実施していることについて話していただきました。研修を受けた身としては、全体的にコミュニケーションのとり方を大事にしているように感じ、在宅勤務時でも安心して研修に参加できました。

次回イベント告知

次回のフォルシア主催イベントはRust言語についてのLT会、Shinjuku.rsです。

Shinjuku.rsでは、Rustを商用利用した話、Rustでこんなものを開発した、Rustの面白い仕様を紹介したい、Rustにcontributeしたなど、Rustに関連する内容ならなんでもWelcomeです。

10月26日(火)Shinjuku.rs #18

ぜひ上記リンクよりご参加のお申込みをお待ちしております。

この記事を書いた人

力石康平

2021年新卒入社のエンジニア。
最近は運動不足に悩まされています。