旅行プラットフォーム事業部の佐藤です。今回は今年度よりエンジニアの教育活動の一環として新たに企画した取り組み、その名も"devゼミ"についてご紹介します。
devゼミとは
devゼミは、
- エンジニア全体の技術力の底上げ
- 学ぶ習慣づくり
- 教える習慣づくり
を目的として、私佐藤を含む有志のメンバー4人で集まり立ち上げた、社内のエンジニア向け勉強会です。社内の誰でもゼミの受講や講師ができます。
企画メンバーの思い
フォルシアでは新卒採用を開始してから約10年が経過し、当初と比較して新入社員エンジニア向けの研修がかなり充実してきたという声がよく挙がっています。
一方で、新卒2年目以降のエンジニアや入社時期の異なるキャリア入社のエンジニアについては、メニューの決まった研修は設けていません。
また、特定のテーマについて何週間かかけて学ぶ社内勉強会もありますが、主催者の負担が大きく、気軽に開催することが難しくなってしまったり、参加者も強い興味を持っていないと参加しづらくなったりしていました。
そこで、さまざまなテーマを対象として、フォルシアの全エンジニア間でのノウハウや、好奇心を共有する場を定期的かつ気軽に設けられるようにしたいと思い、devゼミを立ち上げることとしました。
普通の講義とは何が違うのか?
この企画の立ち上げに際しては、Googleで行われていると言われる「g2g」という社員間での学習プログラムを構想のヒントにしてみました。
devゼミでは基本的に参加者が実際に手を動かして学べる、ハンズオン形式で各勉強会を開催しています。
背景として、フォルシアではここ数年で、社内のドキュメント管理方法を改善したり、各個人の知見や情報をドキュメントにアウトプットするという文化を根付かせたりしてきました。
その結果、社内のノウハウも以前と比較してかなり蓄積されてきました。一方で、共有された知見や技術を「使える」といったレベルで身につけるには、担当するプロジェクト次第という部分が大きく、他のチームのサポートに入る際に障壁となることがありました。
そこで、「知る」→「使える」のハードルを越えるために、実際に勉強会の中で学んだ技術を「使ってみる」ところまでを扱うようにしました。
講師としては、勉強会の参加者がその技術を使えるレベルまで導く必要があるため、教える内容への深い理解や勉強会で用いる準備が欠かせません。devゼミでは教える立場のエンジニアの教育も狙いに含めており、勉強会の質を上げるために毎回参加者からのフィードバックを集めて講師へ共有しています。
また、できるだけ多くの参加者が満足できるような工夫として、ゼミ開催の告知時に参加対象者のみならず、非対象者、つまり受講が不要な人を明記するようにしています。
下記が、実際に社内へ告知したときの表記です。
【第2回devゼミ告知】
第2回は、龍島先生による「formatter導入のすゝめ」です
3行まとめ
- 内容: eslint, prettierを導入するメリットを学び、自動フォーマットの利便性に感動した後に実際に既存プロジェクトに導入してみる。
- 対象: formatterを触ったことがない人。もうlinterに「ifの後ろにスペースがないよ」なんて怒られたくない!と思っている人。
- 非対象: formatterを導入したことがある人。
このような工夫を行うことで、内容へのもの足りなさを感じる参加者ができるだけ少なくなるようにしています。
実際のゼミの様子をレポート
ここでは実際に開催されたゼミの様子をレポートしたいと思います。
まずハンズオン開始の前に、講師から座学での講義が行われます。
受講者は講師が用意した課題を、自身のノートPCを用いて取り組んでみます。講師は参加者の様子をみながら適宜質問に答えたりアドバイスをします。
ハンズオンの最中は、参加者同士でも教え合う様子がうかがえます。
先月開催した「初めてのalexaスキル」のゼミでは、alexa developer consoleを用いて参加者自身でオリジナルのスキルも作ってみました。
alexaスキルが想像以上に簡単に作れて、楽しく取り組んでいる様子です!
どんなテーマが扱われているのか?
devゼミの勉強会で扱うテーマは、業務ですぐに役に立つものから、業務には直接つながらないが面白い技術やホットな技術まで、エンジニアリングに関するものであれば何でも可能です。
例えばこれまで開催されたゼミのテーマには下記のようなものがあります。
- formatter導入のすゝめ
- 知ってみると楽しい!git講座※非エンジニア向け
- インメモリデータベースを動かしてみよう!
- 社内監視ツールの仕組みをソースコードレベルで理解する
2つ目のgit講座については非エンジニアを対象にした初めての勉強会でしたが、当日は営業担当の社員や法務部の社員など、部署・職種問わず多くの社員が参加してくれました。
当日の参加者からは「gitという言葉は聞いたことがあり興味があったが、バージョン管理の概念を知るところから実際に使えるところまでできて良かった」といった感想や、「ドキュメント改定業務を行っている社員におすすめしたい」といったフィードバックが寄せられました。
また、他のテーマについても、「教わった技術をその場で実際に使ってみて、感動した」や「実際にその技術を使うイメージができた」など、参加者から多くの喜びの声が寄せられており、非常に喜ばしい限りです!
おわりに
当初の企画立ち上げ時には、月に数回程度の開催を見込んでいたdevゼミですが、想定以上に多くのエンジニアからテーマの提案や講師をやりたいとの声が挙がり、開始から今日まで週1のペースで開催しています。
devゼミが社員間で学習する文化を醸成させ、ビジネスや環境の変化に合わせて個々人のスキルアップを加速するきっかけになれば、企画側の一員としてこれ以上に嬉しいことはないですね!
佐藤 礼菜
2016年新卒入社、エンジニア。
旅行プラットフォーム事業部にてダイナミックパッケージ販売基盤開発を主に担当。
今年度からエンジニア教育チームのリーダーとして日々奮闘中。