Case study顧客企業様の事例紹介

<名鉄観光サービス様>時代と共に進化 旅行会社だからこそ提供できる価値とは

2023.08.03

webコネクト Travel ダイナミックパッケージ型検索 ツアー型検索

フォルシアが提供する商品販売プラットフォーム「webコネクト」。今回は、航空とJRのダイナミックパッケージ(DP)型/ツアー型検索の機能をご利用いただいている名鉄観光サービス様にお話をお聞きしました。

webコネクトを導入していただく以前からフォルシアのSpookをご活用いただいている名鉄観光サービス様。長年フォルシアとお付き合いいただいている中で感じられた、開発を進めるうえでのポイントをお話しいただきました。

企業のWebサイト刷新ご担当の方にご参考にしていただければ幸いです。

今回お話を聞いたお客様
DSC08801.JPG
名鉄観光サービス株式会社

商品事業本部 商品販売部 システム開発担当
長谷川 靖人様

経営戦略部 副部長
廣田 達也様

商品事業本部 商品開発部 課長
兼 商品販売部 課長
伊藤 学様

経営戦略部 主任
古井 涼子様

経営戦略部 事務掛
森川 大地様

※ 所属はインタビュー当時のものになります。

名鉄観光サービスの事業について

貴社のサービスについてご紹介をお願いします。

私たちは、名鉄グループの旅行会社として、主に団体旅行と個人旅行をサービス提供しています。
割合としては、修学旅行や法人、組織・団体などの団体旅行が7割、個人旅行は3割ほどです。当社は、名古屋鉄道を基盤としたビジネス展開をしていますが、団体旅行においては全国に業務を展開しております。また、個人旅行においても名古屋や東京出発のみならず全国各地出発の旅行商品展開をダイナミックパッケージ(以下、DP)商品によりWeb上で実現しています。
新型コロナ感染の流行もあって一時はやや落ち込み気味でしたが、特に個人旅行においては全国旅行支援が実施されたことや、コロナが第5類になったことが功を奏して、完全にではないですが復活してきています。中でもインバウンドが大きな勢いで戻ってきていますね。

フォルシアとの関係について

━ 元々、Spookも導入していただいている名鉄観光サービス様。Spookはどのような経緯で導入していただいたのでしょうか?

フォルシアさんとはかれこれ、12年くらいのお付き合いになりますね。当社では、2008年に基幹システムを刷新して、2010年頃から個人旅行におけるWeb販売の本格的な動きが出てきました。そのときに、サイト内検索の新しい技術としてのSpookを知って導入に至りました。
元はといえば、フォルシアさんから届いた一本の営業メールから始まったんですよ。「うちはこういう会社でこういうシステムを作っている。興味ありませんか?」というようないわゆるセールスメールで。最初は何のことだかよくわからず一度会ってみるかという程度の話だったのですが、実際にデモサイトを見たときにはびっくりしましたね。
当時のサイト内検索は、条件を絞り込んで検索をかけると、必ず全画面がリロードするようなパターンが主流でした。それがSpookという新しい技術では、ブラウザ上の左側で条件を指定すると右側の検索結果も同時に動いて即座に絞り込まれる。これは、旅行検索にぴったりだと感じました。

12年ものお付き合いになるのですね!そんな長年のお付き合いをしていただいている貴社から見たフォルシアの印象を教えてください。

ずっと新宿にオフィスを構えていて、その規模がどんどん拡大している印象です。私たちが初めてお会いしたときの社員数は、30名くらいでしたでしょうか。当時は新宿三丁目の角のビルの一角でしたが、そこから同じビル内で増床を繰り返して、現在の新宿駅直結の大きなビルに移転して・・・と、この10年くらいで着実に成長していますね。
社員の方は頭の良い人が多いイメージがあります。技術系オタクが多いじゃないですか(笑)。多少人は入れ替わっていますが、技術系オタクの皆さんによって新しい技術や手法が導入されて、私たちのWebサイトでも色々なことが実現できるようになっていきました。
当社も鉄道会社の旅行会社らしく隠れ電車オタクがいたり、良い意味で少し「変わっている」社員が多いので(笑)、そういう点ではフォルシアさんと似ているかもしれません。

DSC08766.JPG

webコネクト導入について

━ webコネクトに関しては、どのような経緯で導入を決めていただいたのでしょうか。

前述のとおり、当社のWebサイトでは長年Spookを導入していたのですが、DP系へ移行するタイミングで、webコネクトを活用しないとできないことがあると。これまでは、我々が旅行代金を決めて、それを適用した商品がSpookを通してWebサイト上に表示されていました。それが、数年前から航空会社で可変運賃が始まったり、JRでもDPが始まったりしたことによってシステムを変えざるを得ない状況になりました。webコネクトは列車は列車、飛行機は飛行機、ホテルはホテル、とそれぞれの料金を裏側で合算してその都度表示をするという仕組み。リアルタイムで料金が変わっていく仕組みが世の中一般的になっているので、その場その場で計算ができてそのまま表示ができるというのは大きいですよね。言うならば、Spookは一次元、webコネクトは二次元の世界。もっと言えば、Spookはバーコード、webコネクトはQRコード、という感じでしょうか。当社にとってもフォルシアさんにとっても一つの転換期だと感じましたね。
会社として個人旅行の販売を続けていくためには、時代の流れにあった新しい手法も取り入れていかないと土俵に乗ることはできません。「やるか、やらないか」の二択。やらないのであれば個人旅行の販売も止めるしかない。個人旅行においては、今後も大きな変化が訪れると思っているので、腹をくくってやっていかないといけないと思っています。

━ 旅行の探し方、予約の仕方はこの10年で大きく変わったので、この先の10年もどんどん変わっていきそうですね。webコネクトサービスを導入していただいてからは、どのような変化がありましたか?

直接的にwebコネクトを導入したことが関与しているわけではないですが、その背景にはやはり航空会社の可変型運賃の導入があったことが大きな変化を生んだと言えます。それまで当社は、航空会社や施設から料金の情報をもらって、その料金を基に商品を造成し、基幹システムに登録して販売していました。それが、可変型運賃の導入によって一連の作業がなくなったのです。これは、Web販売を始めて以来の大きな変革ですね。
また、飛行機に関しては発着地の指定がなくなったという点も大きいです。今まで、たとえば九州発東京着、北海道発沖縄着などの便の取扱いはありえませんでしたが、どの地域間でも移動が可能であるというのは大きなメリットになります。
これらの変化に伴って、webコネクトでツアー型もDPも取り扱いできるようになったので、結果として当社のマーケットが広がりました。売れなかったものが売れるようになった、ということが最大のポイントであり、そこに対しては現場からも導入してよかったという声があがっていますね。

ANA.png

航空DP販売画面イメージ

今後の展望

━ 貴社の今後のビジネスの展望を教えてください。

本来、足(※ 移動手段の意)と宿だけであれば旅行会社の免許・資格がなくても販売、あるいは直販もできてしまいます。ただ、当社は旅行会社としてしか取り扱うことのできない商品を販売できる立場にありますので、単品で足だけ、宿だけというよりはレンタカーやチケットなど何らかを組み合わせたものを付加価値として売る機能が必要だと思っています。
お客様が、それぞれの販売元から都度購入しなくても、名鉄観光のWebサイトで予約したら一回で全部揃うから便利だとメリットを感じてもらえるようにしたいですね。品揃え良く提供できるようにしておけば、付加価値は創造できるし、育ててもいけると思っています。
その一方で、足、宿、現地アクティビティなどをそれぞれのWebサイトで予約する方が安くてお得、となってしまうと、旅行業の資格をもっている我々の存在意義がなくなってしまいます。
旅行会社ならではのノウハウで素材を組み合わせて商品を造成することはもちろん必要ですし、一つの方向性として、素材そのものを地域と一緒になって開発していくという動きが近年では盛んです。様々な地方自治体と協業してそこの観光地の魅力を開発して商品化して、そこに人を呼び込むということは、今後の旅行会社のビジネスの一つを占めていくのではないでしょうか。そうして開発したものをどのように売っていくのか、というところこそが旅行会社のノウハウを生かせる部分だと感じています。
我々が取り組んでいこうとしていることは、すでに鉄道会社が行っているような囲い込み戦略に非常に近い。お客様を電車の改札から出さないようにして、食べてもらって、買ってもらって、電車に乗って帰ってもらう。これができるようになったら、我々旅行業としてもとても良いと感じていますね。

━ 最後に、このインタビューをお読みになる方へのメッセージをお願いします。

当社では、webコネクトを導入して本当によかったと思っています。ただ、そう思えるようになるには事業者側として意識しておくべきポイントが3つほどあります。
まずは、「webコネクトを導入することによって何を実現したいのか」という明確な絵を描いておくということ。導入したいという意思、目的、ターゲットを明確にすることが第一です。
次に
、機能を知るということ。システム会社は「あれもできます、これもできます」と言うので、その言葉どおりにホイホイ乗ってしまうと結果的に痛い目に合う可能性も(笑)。導入する事業者側がきちんと機能を理解して、その活用方法を見出していくことは大事ですね。
最後に、コミュニケーションをしっかり取ることです。事業者側が伝えたいことと、システム会社が考えていることに少しでもずれがあると後々現実問題として響いてきます。その場その場で必ず意思の疎通をして曖昧なことは残さずに明確にしておく。システム会社と旅行会社とでは、その業界の常識としているものがずれていたり、違うレベルだったりすることが少なからずあります。そのまま放っておくとずれていること自体に気が付かない可能性もあるので、言いたいことははっきり伝えて、相互に細部にわたってその都度明確にすることが大事です。
また、事業者側でも、現場担当者が実現したいことをシステム導入担当者が正しく理解していないと頼む物自体が変わってしまう。完成したと思ったら手戻りということも・・・。事業者側の社内においても、提供側であるシステム会社に対してもコミュニケーションが大事ということです。

 

企業プロフィールご紹介
名鉄観光サービス様


名鉄観光サービスは、名鉄グループの中核会社に位置づけられており、盤石な経営基盤のもと団体旅行・個人旅行を主とした旅行事業を全国に展開しています。
私たちは「人と人との出会い」と、そこから生まれる「コミュニケーション」を大切にし、心豊かな社会の発展に貢献するというスローガンのもと、こだわりに応えるサービスと商品の提供、内外で人々の交流の場の創出、互いが信頼できる風通しのよい社会の構築をおこないます。

名鉄観光サービス Webサイト
https://www.mwt.co.jp/