Case study顧客企業様の事例紹介

<JR東海ツアーズ様>新幹線旅の新しいスタイルを EXサービスのあくなき挑戦

2023.10.10

Travel webコネクト ダイナミックパッケージ型検索 ツアー型検索 割引クーポン 外部連携(GW) 素材登録・素材管理

今回は、10月1日にEXサービスの新サービスである「EX旅先予約」、「EX旅パック」をリリースされたばかりのジェイアール東海ツアーズ様にwebコネクトを導入するに至ったプロジェクトの背景について、お話をお聞きしました。

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企業のWebサイト刷新ご担当の方にご参考にしていただければ幸いです。

今回お話を聞いたお客様
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株式会社ジェイアール東海ツアーズ
経営企画部 情報システム室
室長
樂 雅様

同室 販売システムグループ
グループ長
中村 洋平様

※ 所属はインタビュー当時のものになります。

JR東海ツアーズの事業について

━ 貴社のサービスについてご紹介をお願いします。

当社はJR東海グループの旅行会社として、観光等による鉄道利用の拡大・創出を図ることを目的に、新幹線を利用したパッケージツアーや、「そうだ 京都、行こう。」といった観光キャンペーンと連動した観光プランなどを開発し提供している会社です。

今回、当社の販売システムの刷新を行うことになりましたが、多くのお客様にご利用いただいているJR東海のEXサービスの機能やフォルシアさんのwebコネクトの様々な機能を活用することにより、新幹線と旅先の交通手段・宿・観光プランなど、旅のすべてをスマートフォン一つで予約し、ご利用いただけるサービスを実現しました。

━ 今回リリースする「EX旅先予約」「EX旅パック」についてそれぞれ教えてください。

いずれも、東海道・山陽・九州新幹線のネット予約サービスである、EXサービス(「エクスプレス予約」および「スマートEX」の総称)の会員・登録者向けに提供するサービスです。
従来は新幹線の予約サービスのみ提供していましたが、「EX旅先予約」により、出張や旅行先でご利用になる宿泊施設・観光プラン・レンタカー・観光タクシー等についても、EXサービスのサイト内でシームレスに予約・決済できるようにしました。
また、「EX旅パック」は、新幹線と宿泊施設等がセットになった旅行商品で、乗車直前まで新幹線を変更できることが特徴です。「EX旅パック」には「EXダイナミックパック」と「EXこだわりツアー」の2種類があります。「EXダイナミックパック」では、列車と宿泊施設を自由に組み合わせて予約ができます。「EXこだわりツアー」では、 テーマ性を持った観光コンテンツや宿泊施設を個別に探す手間なく、新幹線とのパッケージでご予約いただけます。最大1年前からリアルタイムで予約・決済でき、新幹線、ホテル、観光プランのいずれもチケットレスで利用できますので、予約から実際に利用するまでの手続きが便利になります。

webコネクト導入背景

ー 今回のシステム刷新プロジェクト立ち上げの背景を教えてください。

今回の刷新プロジェクト立ち上げ背景として、JR東海グループの旅行会社としての役割である、「新幹線のご利用を増やす」という目的が大前提にあります。
元々、東海道新幹線ではビジネスでご利用いただくお客様が大半を占めていました。ご利用を増やすという行為を素直に考えると、ビジネス利用のお客様を増やす施策が考えられますが、出張での利用回数を我々が増やすということ自体が難しいですし、近年はリモートワークも定着してきました。そこで、東海道新幹線沿線への観光客の増加にいっそう積極的に取り組むことが、「新幹線のご利用を増やす」うえで重要という視点で施策を考え始めたのです。
そのためには、「そうだ 京都、行こう。」と宣伝するだけではなくて、「京都に旅行にしたい」と感じていただけるような魅力的なコンテンツや観光プランを積極的に作っていくことが大事になります。
もう一つ大事なのは、ご旅行の利便性を高めるということです。そのことによって、観光地へ行くための手段として新幹線を利用しようと思ってもらえるのではないかと考えました。
一方で、現在の旅行業システムの課題として認識しているのが、従来の旅行商品は、商品を作るにも売るにも多くの手間がかかり効率が悪く、事前にチケットをお受け取りいただく必要があるなど、お客様の利便性としても高いとは言えないということで、これらを改善できるシステム刷新を構想していました。

ー今回のシステム刷新によるねらいをもう少し詳しく教えてください。

一つは、旅行の目的となるような魅力的な観光プランを豊富に、且つスピーディーに作って紹介すること。前述のとおり、現在は商品を作ること(造成)と、販売することに伴う作業に手間がかかっています。そのような造成・販売作業はシステムに任せて効率的にして、旅行会社として本来注力すべきであるクリエイティブな商品・観光プランの開発にリソースを振り向けられるということを期待しています。
もう一つは、旅行の利便性を高めること。EXシステムやレンタカー会社など様々なシステムと接続して、旅行を構成する様々な要素をリアルタイムで予約し、チケットレスで利用できるようにしました。チケットレス、すなわち紙チケットの廃止というのは効率化の面で語られることが多いのですが、それももちろんありつつも、チケットの受け取りが不要になることで、出発直前にストレスなく予約して出発できるという点や、旅の途中(タビナカ)でコンテンツを追加していただけるという点も大きなメリットとして挙げられます。タビナカで新たな場所に立ち寄ろうと思った際は、予約済みの列車の出発直前でも、後続の列車に時間を変更して、もう少し現地でゆっくり滞在していただくこともできる。これまでのパッケージツアーでは実現できなかった自由な旅ができるようになります。

ー お得な反面、窮屈だというパッケージツアーのイメージが覆されますね。今回の刷新にあたってのwebコネクト導入の決め手を教えてください。

開発に際して、旅行商品を取り扱うシステムは新幹線のチケットを売るシステムと比べて販売する商品が多くて様々な機能が必要になります。お客様のニーズや施策に合わせて接続先システムを追加することも考えられますが、これらのシステム・機器類すべてを自らが準備して作るのは大変だと思っていました。このような悩みをもっていたとき、フォルシアさんからwebコネクトをご紹介いただき、旅行商品や観光プランを作ることや、作った商品をお客様が検索を行う機能について実績のある仕組みを活用できること、また、様々な外部システムへの接続も柔軟に対応することが可能であるという説明を伺い導入を決めました。結果的に、基本的な機能はwebコネクトの標準機能を活用し、一方で、当社としてのこだわりや新たに実現するEXシステムとの接続という、いわばカスタマイズされた機能の開発に関して重点的に取り組むことができ、メリハリのある開発ができました。

フォルシアとプロジェクトを進めてみて

ー 当社とは前回のプロジェクトからお付き合いいただいているJR東海ツアーズ様。フォルシアと一緒にプロジェクトを進めていただいた感想はありますか?

SaaSであるwebコネクトを利用することが前提のため、スクラッチ開発における自由度が低いことを理解したうえで要件定義工程を進めました。フォルシアさんの担当者の中には、以前の基幹システム開発時から仕事を一緒にしてきたメンバーも多く、既知の間柄であることは、プロジェクトの推進において大きなプラス要素でした。
今回のサービスは、EXサービスの会員様に、EXと当社双方のサイトを行き来して、一体のサービスとして旅行の予約や列車変更等を行うものです。そのため、すでにEXサービスをご利用の会員様が当社サイトを違和感なくご利用いただけるよう、デザインや操作性における、EXサービスとの一体感という観点においてかなりこだわりがあり、当初からご相談していました。議論の過程においては、webコネクトはSaaSであるという認識はありつつも、無理難題な依頼をしたかもしれません(笑)。
ただ、そのようなこちらの要望に対しても「標準仕様だから」と断ることなく、「考えてみます」と、一旦は受け止めてくれて、一つひとつ実現性を考えていただいたというのは非常に印象深かったです。柔軟に対応いただける姿勢に救われました。
また、EXシステムの外部接続は初めての経験なので苦労もありましたが、問題が発生する都度、こちらからのお願いに対応できるかどうかだけではなく、「こうするのはどうか」、「こうしたらもっと便利なのではないか」といった視点でのご提案をいただけたのは嬉しかったですね。

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ー 当社の担当者がJR東海ツアーズ様のオフィスに長時間滞在して議論していたという話は聞いていました・・・!今回のシステム刷新にあたり、webコネクトのどのような点が貢献しましたでしょうか?

まず標準機能に関して、既に旅行会社各社で使われているという安心感はありました。
また外部接続ゲートウェイの機能が良かったですね。当社での商品の汎用性を考えると、レンタカー会社や現地観光プラン提供企業といった、旅行に必要な要素を提供する様々な会社と、容易にシステムをつなぎ、販路を広げることができるというのは重要なポイントです。フォルシアさんは、これらの会社との接続実績があり、ベースができあがっていたのでゼロから要件を考える必要がなく、要件定義等を進めていくうえでの検討工数が大幅に削減されました。この先、接続先を増やすかどうかはわかりませんが、我々としてもコンテンツを増やしたいという気持ちはあるので、今後新たな接続先が必要になる場面は出てくるかと思います。そのようなときにも、受け皿としてフォルシアさんの仕組みがあるのは安心だと感じています。

ローンチを控えた現在の心境

ー ローンチまであと少しですが、どのようなお気持ちですか?(※インタビュー当時はローンチ前)

フォルシアさんに「こんなことをしたい」と最初に相談を持ちかけたときからかなりの時間が経ちました。ようやくここまで来たなという実感がありますし、様々な思いを込めたシステムなので非常に楽しみです。一方で、我々が期待したように、お客様に便利さを感じていただけるか、旅行に行きたいと感じていただけるか、という話はまた別だと思っています。次の課題は、お客様の反応や捉え方、ニーズを早期に汲んで、いかに品質を高めて満足いただけるサービスに仕上げていけるか、というところ。EXサービスは、これまで新幹線の予約サービスとして多くのご利用をいただいていますが、EX旅先予約やEX旅パックも、このサービスの一つとして、会員の皆様に当たり前の存在と感じてもらえるように育てていきたいです。また、webコネクトに期待したことの一つとして、商品造成にかかる手間を減らしたいということもありました。この仕組みを我々がきちんと使いこなすことが「生産性の向上」につながり、収益性も高められると考えています。これからが本番ということで緊張感をもってやっていきたいです。

ー 最後に、メッセージをお願いします。

EXシステムで旅行商品を売るという新しいサービスを作るにあたり、仕組みはもちろん、見せ方も含めてフォルシアさんには苦労をおかけすることもありましたが、実績のあるプラットフォームを使えることは、今回の開発において大きな強みになりました。ベースがあるのでプラスアルファの部分だけ開発すればよかったのは助かりました。親身になって対応してくれるフォルシアの担当者の皆さんに様々な課題に柔軟に対応いただいたことで、ここまでたどり着くことができたと思っています。今後も旅行業界の課題を解決してくれる存在として、webコネクトの機能増強や新しいサービスを提供していただけることを期待しています。
また、我々もそうですしこの記事を読んでいる旅行業界の方々も同じような課題を抱えているかと思います。ユーザーがどんどん使っていくことでwebコネクトがプラットフォームとして益々良くなっていくことを期待しています。

 

企業プロフィール
株式会社ジェイアール東海ツアーズ


JR東海グループという強みを生かし、独自性と競争力を有した旅行商品を企画し、東海道新幹線を中心とするパッケージツアーなどの販売を行っています。今後はインターネット販売に特化するとともに東海道新幹線沿線の観光開発により一層力を入れ、新しい旅のカタチを創造していきます。

ジェイアール東海ツアーズ公式ホームページ
https://www.jrtours.co.jp/