CASE STUDY国内旅行の全サービスを
支えるプラットフォーム

全日本空輸株式会社様・ANAセールス株式会社様


ANAセールス株式会社
経営企画部 営業システム課 課長
吉田 吉秀 様


全日本空輸株式会社
業務プロセス改革室 開発推進部 旅客チーム 主席部員
阿部 誠 様

※所属および記載内容は、インタビュー当時のものです。

ANA SKY WEBビジネスの流れとSpook®の関わり

実現困難と思われた新ビジネスモデルの立ち上げ『旅作』

Spook®が最初に導入されたのは2006年にリリースされたダイナミックパッケージ「旅作」です。

ダイナミックパッケージとは、従来のパッケージ商品とは異なり、好きな時間帯のフライトや様々なホテルのプランからユーザーが好みのものを組み合わせて選ぶことができ、同時に航空便や宿泊施設の空き状況をリアルタイムに反映、常に最新のプラン内容・旅行代金も提示するという非常に便利なサービスです。この新しいビジネスモデルであるダイナミックパッケージを初めて販売したのがANA SKY WEBでした。

「旅作」の実現にあたっては様々な課題がありました。
まず保持していたデータが非常に煩雑で、これらのデータを整理することはANA内部のシステムでは現実的に不可能だったことです。オンタイムで価格や在庫を変えていかなければいけないことも難しい技術でした。
当時は自社サービスを外部に依頼するという発想自体が全くなかったのでSpook®を導入することは非常に高いハードルだったのですが、これらの課題がSpook®なら解決できるということで初めて外部のベンダーが採用されました。

旅作イメージ

旅作イメージ

煩雑なデータの整理が肝に Web販売比率の成長を支える

全日本空輸株式会社・ANAセールス株式会社

ANA内の複雑だったデータが整理統合されて検索用に最適化されたデータベースができあがり、様々なフライトやホテルの組み合わせに対応してオンラインで価格や在庫までスムーズに表示され、実現困難と思われた新サービスをそれも短期間でスピード感を持って開発していただきました。
今でこそダイナミックパッケージはめずらしいものではありませんが、2006年当時に実現できたのはフォルシアしかいなかったのではないでしょうか。

その後もAjaxを導入したり、地図検索を追加したり継続的にリニューアルを続けており、現在は旅作から派生した、ANA便と他社宿泊商品を組み合わせたダイナミックパッケージについても担当いただいております。

2006年当初、総売上に対してのWeb販売比率は微々たるものでしたが、リニューアルと同期を取るように大幅に伸び始め、中でもリリース以来右肩上がりの売上でWeb販売の大きな柱となっている「旅作」の検索エンジンとして、非常に重要なところをお任せしています。

国内旅行商品サービスには全てSpook®を導入

「旅作」で成果がでているのでさらなるANA SKY WEBサイト強化に向けて国内ツアー検索、@ホテル検索、@レンタカー検索にもSpook®を導入することが決まり、2007年にリニューアルしました。

国内ツアーはフリープラン型が主流で、1つの商品に対し、多い路線では往復で60近い便と100軒近いホテルが紐づいていました。データが膨大すぎるため、リニューアル前は何画面も遷移しないとどの便とホテルが空いているのか表示できませんでした。

Spook®導入後は検索の段階で全ての便、ホテルの空き状況を半年先まで日毎に表示することが可能になったのです。この見せ方は当時なかなかできないことで、非常に斬新で驚異的な技術でした。元々パンフレットの商売なのでWeb上で検索させることに主眼を置いていなかったのですが、パンフレットで探すようにツアーを決めるという体験をSpook®を使うことによってうまくWeb上で表現できるようになり、ユーザビリティが大幅に向上、取扱高も増加しました。

これでANA SKY WEBの国内旅行サービスは全てSpook®化されましたので、それ以来ANAのWeb戦略における要を担っていただいております。

吉田 吉秀 様

2009年新たなビジネスモデル ホテル一括検索

ホテル一括検索という横断検索のさきがけとなる新サービスを2009年にリリースしました。
これは楽天・じゃらん・@ホテルの3社の国内宿泊プランを横断して比較検索できるサービスです。複数の旅行会社のプランを検索させるサービスは既にいくつかありましたが、ここまでレスポンス良く探し易いサイトは他になかったのではないかと思います。実は当時のアンケート結果で、ANAの航空券購入者が泊まるホテルとして@ホテルがあまり選ばれていないことがわかりました。@ホテルを検索させるだけのサービスを行っても顧客満足につながっていないのではと考え、楽天とじゃらんを加えたサービスを開始することになったのです。

横断検索で最もネックになるのがデータの名寄せ作業です。
旅行業界のデータには業界のスタンダードがあるわけでもなく、各社バラバラの状態で保持しており他社とのデータ連携に非常に苦労するのですが、Spook®にはこのデータの整理統合を一手に引き受けてもらい、旅行会社の垣根を超えるスムーズな横断検索を実現していただきました。この一括検索によって、ANAにもこんなサービスがあるんだとお客様からの認知が増え、サイトへの流入数の分母増加につながっています。お客様が他に流れてしまうというリスクもある中で、@ホテルの売上も他社プラン同様伸びています。

ホテル一括検索イメージ

ホテル一括検索イメージ

開発・運用の印象は

開発から運用まですべてお任せしています

開発にあたり、ANA内部の基幹システムに大きく手をいれることなく、簡単な連携で検索DBを構築できることは大きなメリットでした。前述の通りそもそも外部を使うという発想がなかったので、導入時は大変なこともありましたが、今はサービスレベルも当初に比べてかなり高いところまで高めていただき、ANAの厳しい要求にも応えてもらっています。基本的にインハウスのベンダーと連携してプロジェクトを進めてもらっていますが、コミュニケーションも円滑で問題なく開発されていると思います。

今後の課題、フォルシアに期待すること

提案力、技術力が伴っていることが強み

有難いことはANA SKY WEBを研究した上で新規提案にきていただけることです。
ただ言われたことに対応するだけでなく、こちらが知らないような新しい技術など積極的に提案してもらって非常に助かっています。課題に対して一つの解決策を提示するだけでなく、ビジネス側の状況を理解した上でそれ以上の提案をくれること、またその提案に見合う技術力が伴っていることがフォルシアの強みだと思いますので、引き続きサイト向上のため新規提案いただけることを期待しています。

今後の課題としては、データ更新のさらなるリアルタイム化があげられます。
実現にはいろいろと壁が立ちはだかっているのですが、今後のビジネスにおいてサイトをよりリアルタイムに更新していくことは必須です。これまでも実現困難と思われたものを可能にしてきていただいたので、ぜひ成功させてほしいと思います。

スマートフォンやタブレット対応、SEO対策などトレンドにも乗り遅れることなく、これからも最新の技術を提供していただきたいです。

企業プロフィール
ANAセールス株式会社

ANAグループの日本における販売機能を担い、個人と法人を対象にした国内線および国際線航空券の販売を担当。グループの収益性の維持・向上を実現し、競争力の強化を図っています。またグループの旅行事業を担いグループの航空運送サービスと宿泊などを素材とした旅行商品の企画・販売を行っています。特に、WEBによる販売においては、いち早くダイナミックパッケージ「旅作」による旅行販売を開始するなど、常に新しい旅行販売の形態を追い求めています。

全日本空輸株式会社・ANAセールス株式会社様

全日本空輸株式会社

国内線では最大の路線網を持ち、国内線乗客数では日本最大級の航空会社です。国際線ではアジア諸国とヨーロッパ諸国、アメリカ合衆国に運航しています。航空会社連合「スターアライアンス」のメンバーで、グループ企業として格安航空会社のバニラ・エアがあります。